BinanceとBitfinex、アジアからヨーロッパへ移転。非現実的な政策が理由か

先週世界最大の仮想通貨取引所のBinanceがアジアから撤退してマルタに移転することを発表しました。さらに、もう一方の大手取引所Bitfinexも、CNNの報道によるとスイスへの移転を検討しているとしています。

もし報道通りBitfinexがスイスへと移転すれば、アジアの2大取引所がヨーロッパに移転してしまうことになります。

拠点がヨーロッパに移転しても、これまでと変わらずに取引は行われますが、懸念されるのはアジアの仮想通貨界における影響力や、競争力の低下です。仮想通貨価格には大きな影響がないと想定されますが、アジアの非効率的な仮想通貨規制が続けば、アジア各国は仮想通貨先進国から後進国に転落してしまい、ブロックチェーン技術などでも劣ってしまう可能性も出てきます。

それでは、このニュースの詳細と反応をチェックしてみましょう。

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Binanceはマルタへ移転

Binanceは、アジアから撤退して、EUに所属するマルタに移転すると発表しました。

その理由は、マルタがブロックチェーン技術や企業の誘致に積極的だからです。

また、Binanceは先日日本の金融庁から警告を受けましたが、香港当局からも同様の警告を受けていた模様。つまり、規制が多く身動きが取れないアジアから、自由でブロックチェーン技術の導入や仮想通貨取引に寛容な国で、縛られずに営業したいということのようです。

Binanceは、現在各仮想通貨同士のペア取引のみで、法定通貨との交換はできませんでした。しかし、マルタに行けば仮想通貨と法定通貨のペア取引が可能になります。

また、マルタではBinance chainという「非中央集権型」の取引所を設立する計画もあるようです。非中央集権型取引所とは、管理者がいない取引所のこと。日本で金融庁の登録を受けている取引所は全て「中央集権型」なのでピンと来ないかもしれませんが、「管理者がいない=仮想通貨の理念により近づいた取引所」ということになります。

また、マルタではBinanceが培った専門知識を駆使して、ブロックチェーン新興企業に資金を提供して成長を手助けするとしています。このBinanceの動きに対して、マルタの金融サービスデジタル経済担当の議会秘書は、賞賛を送り「Binanceの移転によってマルタは『ブロックチェーンアイランド』にするという目標に一歩近づく」と発言。まさに、Binanceとマルタは相思相愛状態ですね。

https://twitter.com/JosephMuscat_JM/status/977115588614086656

この動きに、マルタの首相も「バイナンス、ようこそマルタへ」とツイートしています。

Bitfinexはスイスへの移転を検討中

Bitfinexがスイスに移転するという報道が出たのは3月29日でした。

「世界の5大取引所の1つ、Bitfinexがスイスへの移転を計画」というものです。BitfinexのCEOはすでに、スイス当局と議論を進めていて、アジアからスイスへの移転を固めたとのことです。スイス以外の選択肢はロンドン。どちらにしても、Bitfinexはアジアからいなくなってしまいます。

香港のオフィスを閉鎖して、スイス本社を立ち上げるのです。こちらの移転理由もBinanceと同じようです。

アジアの巨大仮想通貨取引所の移転に対するネットの反応

さて、アジアの有名2大取引所がヨーロッパに移転することに対すネットの反応はどんな感じなのか、チェックしてみましょう。

https://twitter.com/DiannaCoin/status/977122571509477376

ネットではアジアからいなくなった失望というよりも、規制しかできない日本政府に苛立ちを感じる声が多くあがっていますね。今後、仮想通貨が決済手段として流通するようになっても規制が先に出てしまう日本では、大きな発展が望めないかもという、不安が大きいようです。

まとめ

BinanceもBitfinexも、規制が多いアジアに見切りをつけて、ブロックチェーン技術や仮想通貨に対して懐が広い国への移転してしまいます。

このまま規制が続き、他の取引所や関連企業がヨーロッパに移転することは、仮想通貨市場だけでなく、アジアの経済全体にとってマイナスになりますので、日本をはじめとしたアジア各国も「守りながら育てる」方針に転換してもらいたいものですね。

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ABOUTこの記事をかいた人

税理士事務所で働く24歳OL。2016年8月に、わけも分からず仮想通貨を買って握りしめていたことが全てのはじまり。以前は「男にたかる港ガール」だったが、仮想通貨がキッカケで「自力で稼ぐこと」に目覚めて、今はICOや草コインを買いあさり、トレードまで自分で行うまでに。「クリプトカレンシー女子」として情報発信も広く行っている。