2018年3月8日コインチェック記者会見:NEM補償、顧客資産の開放は来週を目処

NEMの大量盗難事件について仮想通貨取引所のコインチェックが3月8日に「事件の原因と今後の対策、顧客への補償時期」について記者会見を開きました。

CEOの和田晃一良氏とCOOの大塚雄介氏が11秒間に渡って深くお辞儀をしてスタートした記者会見は全回よりも前向きな内容が多く、また質問する記者たちの知識も向上していることもあってか不毛な質問が少なかったことが印象的でした。

コインチェック側の説明と記者たちの質疑応答を合わせると1時間を超える長丁場となったものの、コインチェックユーザーも、仮想通貨トレーダーも安心して見ていたのではないでしょうか。

この記者会見最大の注目ポイントはNEMの補償時期と、顧客資産の開放時期です。それでは、コインチェック記者会見の内容やユーザーの声をまとめていきたいとおもいます。

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コインチェック事件の原因と対策、今後の流れ

コインチェックからNEMが大量に盗難された原因は、結局はマルウェア感染だったようです。

社員が使っている複数のパソコンがメール経由でマルウェアに感染し、社内ネットワークにNEM泥棒が入ってきて秘密鍵を調べ、NEMを大量に盗難したとのことです。メールの内容は捜査に影響するためという理由で公開されなかったものの「コインチェックを狙って送られたものだった」と完全に狙われたものだということが明らかになりました。

今後は、再発防止策として以下の施策を実行することを発表。

以下再発防止策の一覧です。

CC社が発表した再発防止策

  1. ネットワークの再構築
  2. 全従業員のパソコンを新品にする
  3. サーバーの再構築
  4. 安全に入出金が出来る技術的な検証
  5. 金融機関出身のシステムセキュリティ統括責任者を設置

今後はマルウェア感染からコインが盗まれることがないように、複数のコールドウォレットを運用するとのことです。

停止されていた日本円以外の仮想通貨たちの出金・入金も来週を目処に再開すると明言していますので、多くのコインチェックユーザーが胸をなでおろしたことと思います。

NEM盗難被害者への補償レートは約88円で固定。

NEMを盗難された被害者への補償は以前発表された通りNEMではなく「日本円」で行われることが確定しました。

現在のNEM価格を考えると88.549円は非常に高値でユーザーにとってはありがたいレートです。

もちろんNEM価格は、コインチェック事件で暴落しましたが、コインチェック事件前から、他のコインも暴落しています。ビットコインの下落は2017年12月に始まりましたので、コインチェック事件がトドメを刺したかもしれませんが、全ての下落原因がコインチェックのせいというわけではありません。

引用:tradingview.com

引用:tradingview.com

現在3月9日時点のNEM価格は38円なので、88円で補償してもらえるユーザーはむしろラッキーと見る向きもあります。

コインチェック以外の取引所のNEMユーザーからはこんな声も出ています。

藤崎マーケットのトキさんはNEMの補償に歓喜している模様。

今回の対応はコインチェックユーザーだけでなく仮想通貨トレーダーたちにも好評でした。

明らかになったコインチェックの爆益。昨年だけで数百億円の粗利か?

コインチェックは会見の中で、2017年の取引高を公開しました。

コインチェック2017年取引高

  1. 7月:2868億円
  2. 8月:6512億円
  3. 9月:7619億円
  4. 10月:1兆283億円
  5. 11月:2兆5268億円
  6. 12月:3兆8537億円

このうち20%が「売買金額の差がある販売所形式」の取引です。

販売所形式の手数料は大体10%前後なので、このうち5%がコインチェックの収入になったとしてもとてつもない額になります。

利益率が5%で計算しても7月以降の粗利益は909億円。いかに仮想通貨相場が熱狂していたかわかりますね。今後もコインチェックはセキュリティ体制を整えて営業を続けるので、ユーザーが離れるのか、戻ってくるのかが注目ポイントとなります。

コインチェックのアカウント数はなんと170万口座もある

2018年3月8日の記者会見ではコインチェックのアカウント数(売買が出来る口座数)が会見当日時点で約170万口座あることも発表されました。

これがどれくらい凄い数かというと…

という規模なので、ほぼ証券会社と同じ規模ということがわかります。

まとめ

仮想通貨界を恐怖と絶望に叩き落としたコインチェック事件ですが、ようやく解決が見えてきて多くのユーザーが安心したことと思います。

NEMも約88円で補償してもらえることが確定したので、資金が戻ってきたユーザーが再び取引を再開したら、全体的に活気が出るかもしれません。

このアンケートによると6割のトレーダーが再び売買すると答えています。ただ、下落するという恐怖心から、利確や損切りをしてしまう人が続出すると大幅下落を引き起こす可能性もあります。コインチェックの補償や凍結解除のタイミングは慎重な行動を取るよう注意しておきましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

税理士事務所で働く24歳OL。2016年8月に、わけも分からず仮想通貨を買って握りしめていたことが全てのはじまり。以前は「男にたかる港ガール」だったが、仮想通貨がキッカケで「自力で稼ぐこと」に目覚めて、今はICOや草コインを買いあさり、トレードまで自分で行うまでに。「クリプトカレンシー女子」として情報発信も広く行っている。