仮想通貨を使って資金を調達する「ICO(イニシャル・コイン・オファリング)」が乱発される中、中国、アメリカ、シンガポールなど各国がICOや仮想通貨自体に法規制を設けるようになりました。
また、現在規制の無い国でも、この「新しい価値」に対するさまざまな審議がされている最中です。
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ICOを全面禁止にした中国
「経済と金融の秩序を著しく乱す違法な活動」、「許可を得ていない違法な資金調達行為」とし、今年9月にICOの厳しい規制に乗り出した中国。今後全てのICOは全面的に禁止となり、すでに終了しているものも含め内容を調査し、違法性の有無をチェックしていく構えです。
ICOによって調達された資金についても、状況次第で凍結する方針とのこと。
最近急増してきた暗号通貨によるクラウドファンディングを中国の当局は法規を改正して全面的に排除すると決めた 引用元:TC|中国、ICOを全面禁止――「金融詐欺、ネズミ講」と強く非難
また、中国証券監督管理委員は60ヶ所にも及ぶ仮想通貨取引所のリストを作成しており、リストにある全ての取引所に対する調査と状況報告が求められています。新規のICOは全て凍結、中国の仮想通貨取引所は全面閉鎖となりました。
厳しい規制の裏にはICOによる違法行為
中国がICO全面禁止を決定した動機として、ICOによる違法な資金調達の横行や、詐欺被害が多発していたことがあります。
事実、オフィスさえ存在しない企業が、実体のないICOで資金を集めるといった例は多く、中国人民銀行は「(中国で行われている)ICOの大半は金融詐欺、ネズミ講である」という見解を示していました。また、仮想通貨という中国政府がコントロールしきれないお金の流れを排除したいという思惑もあるのでは、とも言われています。
この中国のICO全面禁止という決定が、今後の仮想通貨市場にどのような影響を与えるのでしょうか。世界の投資者達から注目されています。
一部ICOは規制対象と発表、今後の動向が注目されるアメリカ
アメリカは仮想通貨プロジェクト「The DAO」のハッキング事件(※)を受け、2017年7月、アメリカ証券取引所委員会(SEC)によって、イーサリアムのプラットフォームを利用した「The DAO」のようなICOトークンは有価証券であり、規制の対象であると発表しています。
連邦証券法は証券をアメリカ国内で売買する者に適応する。それは発行元が伝統的な会社であろうと非中央集権型自治体であろうと関係はない。また、たとえこれらの証券がアメリカドルで購入されようが仮想通貨で購入されようが関係はなく、さらには、証明書が分散型であろうと、分散型台帳のテクノロジーを使おうが同じである。引用元:Reuters|米国でThe DAOのようなICOトークンは証券規制の対象
現時点ではICOに対する認識を声明として出しただけですが、今後具体的な法規制が整備されることが予想されます。
2016年5月開始から28日間で約150億円の資金調達に成功した分散型投資ファンド「The DAO」が、ハッキングによって保有するイーサリアム3600万ETH(約75億円)の資金が流出した事件。
その他、各国による仮想通貨・ICO規制
2017年11月現在、促進、禁止傾向のいずれにせよ、世界各国で仮想通貨・ICOについて何らかの規制をする流れになっています。
例えば、政府が仮想通貨市場の発展を支援し、ICOを促進する方向性のスイスも、違法なICOに対する監視を強め、テロ資金やマネーロンダリングの調査を開始しています。
また、中国のICO全面停止を受け、ICOに対する法案や声明を見直す国も出てきています。
中国に続きICO禁止を発表した韓国
仮想通貨取引所にシステム厳格化など、仮想通貨に対する法整備を検討してきた韓国ですが、2017年9月、中国の後を追いICOを全面的に禁止することを決定しました。
イーサリアムやリップルの取引高が世界一だった月もあるほどICO人気が高い韓国。今回の規制には、中国と同じく、ICOによる詐欺行為やマネーロンダリングを防ぎ、投資家を保護する目的があると言われています。ICO全面禁止のうえ、仮想通貨取引所も閉鎖した中国に対し、仮想通貨の流通は容認しています。
仮想通貨の規制ガイドラインを発表したロシア
2017年10月、ロシアはプーチン大統領の署名入りで、ICO、仮想通貨の規制の方向性を発表。2018年7月までに執行する予定です。
ロシア政府はICOを有価証券として扱うよう規制を進めており、ICOに対して、証券取引法などの現行法を適用する方向で調整を進めているようだ。引用元:BTCN|ロシア、仮想通貨の規制ガイドラインを発表
具体的には、ICOを有価証券とし、現行の証券取引法を適用する方向で調整するほか、仮想通貨の発行やマイニング、流通を規制し、マイニングした仮想通貨に税金を課すという方針を示しています。
仮想通貨自体にはポジティブな見解のシンガポール
ロンドン、ニューヨークに次ぐ金融ハブとして有名なシンガポールでは、仮想通貨を資産と捉え、仮想通貨取引も活発に行われてきました。
その一方でシンガポール金融管理局(MAS)は、「匿名取引という性質、また短期間で多額の資金調達が可能なICOには、テロ資金やマネーロンダリングのリスクが高い」と懸念の述べおり、2017年8月には、SECのICO規制に関する声明に続き、シンガポールもトークン規制に乗り出す方針を発表しました。しかし、仮想通貨自体を規制する予定はないと明言しています。
今後の対応が注目される日本の仮想通貨への法整備
仮想通貨に対する具体的な対策や法整備が追いついていない状況だった日本も、主要国の動き受け、ICO規制に関するガイドラインを模索しています。
2017年4月には改正資金決済法が執行され、仮想通貨取引所に国への登録が義務付けられることとなりました。
これを受け、同年9月29日、金融庁は仮想通貨取引所として、ビットフライヤーなどの取引所運営業者や証券系など11社を登録。登録には審査が必要で、管理体制などいくつかの条件をクリアする必要があり、現在も複数の事業者に対して審査・登録作業を進めています。
金融庁は29日、ビットコインなどの仮想通貨の取引所としてまず11社を登録したと発表した。引用元:日本経済新聞|仮想通貨、透明化へ一歩 金融庁が11社を取引所登録
しかし、ICOへの法規制についてはまだまだ不十分であり、急速に進化・拡大する仮想通貨市場に対し、制度の見直し・改正など、柔軟な対応が必要であると言われています。
まとめ:規制の裏には各国の思惑もある?
今回中国はICOを全面的に禁止し、国内3大取引所「BTCチャイナ」「フオビ」「OKコイン」の人民元→仮想通貨の交換業務も停止させています。しかしビットコイン→人民元、ビットコインの採掘は禁止していません。中途半端な規制となっている状態です。
これは中国が2014年から進めている法定仮想通貨(国が発行する仮想通貨)を推し進めるための戦略の1つという見方も出ています。
色々な思惑で各国が動いているので、規制が出たらその裏には何があるのか?を常に考えておくことをも大切だと思います。
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