ジンバブエで高騰中のビットコイン!その背景とは?

日本でもビットコイン高騰のニュースが度々流れていますが、それより凄いのがジンバブエです。2017年11月現在、ジンバブエではビットコインは日本以上に急騰しており、国際的な相場より2倍もの高値をつけています。

ジンバブエでビットコインが急騰している背景と、ビットコインの今後の可能性について解説します。

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ジンバブエでは自国通貨の破綻によりビットコインが普及

アフリカ大陸の南部に位置するジンバブエは「植民地時代」「独立」「内戦」を経て1980年に成立した共和国です。

成立後、一党独裁政権の続くジンバブエでは、政府への不信感や自国通貨の破綻、外貨不足によって必然的にビットコインが普及しました。

この流れでジンバブエでは投機目的ではなく、避難目的でビットコインが普及し、結果的に高騰しているということです。

高騰の背景1:自国通貨が破綻

ジンバブエでは、自国通貨(ジンバブエ・ドル)が2008年にハイパーインフレを起こし破綻しました。政府が通貨を発行しすぎたためです。

2000年に始まったインフレ状態は、最終的には何百億ドル(ジンバブエ)が1ドル(米)に値するほどになり、2015年にジンバブエ・ドル廃止が決定。その後、政府が米ドルと等価とする銀行券(ボンド・ノート)を発行するも、国際取引には使用できず、政府への不信感から価格も下落しています。

高騰の背景2:外貨不足

現在のジンバブエでは、米ドルによる取引が認められていますが、外貨不足によりATMに何時間も並ぶ必要がある状況です。それでは生活が成り立たないというわけで。

そこで普及したのが、海外でも使用でき、現政府の発行する通貨や銀行券よりも信用できるビットコインなどの仮想通貨です。

高騰の背景3:ビットコインの使用が一般的に

ジンバブエでは、ビットコインを使って国際市場にアクセスすることが一般的となりつつあります。

独裁政権下ともいえる現状では、送金やクレジットカードの使用が制限されているためです。銀行口座を使っての海外への送金が制限されているため、仮想通貨を避難的に利用しています。現在では、車のディーラーなどもビットコインでの支払いを受け付けています。

ジンバブエのビットコイン急騰もう一つの背景

こういった事情を見ると一部の賢い人達はジンバブエなどのビットコインが急騰している国で「アービトラージ取引(裁定取引)を行えば儲けがでるのでは?」と考えるかもしれません。

アービトラージ取引とは、「本来同価値なものの、一時的な価格差を利用して利益を得る」方法です。

例えば、株式は証券取引所で価格が決まるため、時間が経てば価格は変動しますが、同じ時点での価格はどの証券会社でも同じです。それに対し、ビットコインは取引所によって価格が異なるため、送金することですぐに利益を得られる可能性があります。ビットコインのアービトラージ取引は、複数の取引所に登録し、取引所ごとの価格のわずかな差を利用して利益を出します。

価格の安い取引所でコインを購入し、価格の高い取引所に送金して売ることで差額を得られる可能性があるのです。

しかしジンバブエでは外貨が不足しているため、ジンバブエのビットコイン取引所へ送金したコインを換金しようとしても、金額が限られる、もしくは換金できないでしょう。さらに、海外への送金も政府によって制限されています。

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ジンバブエのビットコインが158万円、儲かるチャンスかと思いきや

…というわけでジンバブエはアービトラージしにくい閉鎖的な環境にあるのです。

ジンバブエの状況から見えるビットコインの可能性

ジンバブエで信頼を得ているビットコイン。

ビットコインなどの仮想通貨の特徴の一つである「発行元が特定の国や企業ではない」ということが、経済の破綻した国では大きな信頼となり得ます。政府の発行した紙幣が無価値となった経験があると、政府がいくら新しい紙幣を発行しても信用しづらいからです。

ビットコインなら、いくら自分の国の情勢が不安定でもほとんど影響を受けません。政府の措置によりインフレになっても、政権が変わって紙幣価値がなくなっても、急落することはないからです。

また、国の経済が破綻していると国際取引に頼らざるを得なくなります。その場合にも他国で使用できる仮想通貨は利用しやすいでしょう。すでに大手のECサイトでもビットコイン決済の採用が始まっています。

そしてもう一つ。独裁政権下でも送金しやすいという大きなメリットがあります。

一党独裁政権下では、政府の管理している銀行からの送金が制限、監視されることもあり得ます。ビットコインはインターネット環境から送金できるので、比較的送金しやすい手段といえるでしょう。ただし、中国のように、政府がビットコインの取引そのものを規制する可能性も無視できません。

とはいえ今後、金融政策に不安のある国、政権が不安定な国、政権崩壊まもない国などで、ビットコインなどの仮想通貨の需要が拡大することは間違いないでしょう。

まとめ

日本にいると「円」が安定しているおかげでビットコインの価値は感じにくいですよね。ぶっちゃけたところビットコインが無くても、円で十分暮らしていけます。

しかし、海外で、経済的に成長していない国の場合は話が違います。

こうやって海外のニュース(特にアフリカや発展途上国)を見ると自国の通貨に不安や猜疑心を持っている人が本当にたくさんいることがわかります。そういった意味でビットコインやその他の仮想通貨は世界を変える可能性がある。

最近のビットコインの急騰はバブルでも何でもなく、実は世界中で必要とされていて、認知度が上がったことで世界中で買われているからなのかもしれませんね。

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ABOUTこの記事をかいた人

税理士事務所で働く24歳OL。2016年8月に、わけも分からず仮想通貨を買って握りしめていたことが全てのはじまり。以前は「男にたかる港ガール」だったが、仮想通貨がキッカケで「自力で稼ぐこと」に目覚めて、今はICOや草コインを買いあさり、トレードまで自分で行うまでに。「クリプトカレンシー女子」として情報発信も広く行っている。