ビットコインがハードフォークして誕生したビットコインキャッシュ。この仮想通貨の存在は多くの仮想通貨トレーダーが知っている、仮想通貨のメインコインの1つです。
分岐という背景もあり、ビットコインキャッシュとビットコインは長らく「本物のビットコインはどちらか」という論争が続いています。これは多くの方がご存知のはず。誕生から約半年が経過した今、その論争は収まることはなく、法廷に持ち込まれる可能性も出てきています。
「ビットコインキャッシュこそ本物のビットコインだ」と主張している中心人物はビットコインの神「ロジャーバー」です。彼はビットコインではなく、ビットコインキャッシュこそ本物のビットコインであると主張しています。それではことの顛末を掘り下げていきましょう。
ビットコインキャッシュはビットコインよりも、ビットコインである
ロジャーバー氏をはじめとする、ビットコインキャッシュこそビットコインであるという主張の根拠は、スケーラビリティ問題にあります。
ビットコインは、昨年末のようにトランザクションが増加すると、処理スピードが非常に低速になる上に、マイニング手数料が超高額になります。皆さんもご存知のように、昨年末の状態ではとてもではありませんがビットコインは実用的とはいえませんよね。
当時の様子はこちらの記事が参考になります。
ロジャーバー氏らはその点を含め「ビットコインキャッシュこそがビットコイン」と主張しているのです。
ロジャーバー氏は、ビットコインキャッシュはほとんどのカテゴリー(スピードや手数料など)でビットコインを打ち負かしていると考えています。もちろん、その主張はビットコイン派は全面的に否定していて、法廷闘争に持ち込まれる勢いとのこと。
ただ、仮想通貨に詳しい弁護士によると裁判沙汰になったとしても、民事訴訟ですし、せいぜい是正勧告や罰金勧告が関の山。ロジャーバー氏が刑務所に入る事はありません。
そもそもロジャーバー氏って誰?
今回の中心人物ロジャーバー氏を知らない方のためにざっくり彼について説明しておきますね。
ロジャーバー氏とは、ビットコインに初期から投資してきた投資家です。彼がビットコイン投資をスタートしたのは2011年初頭。2011年初頭のビットコイン価格といえば1ドル未満。その当時に多額のビットコインを購入した上に、ビットコイン関連のベンチャー企業に100万ドル以上を投資しています。
もうその時点で、彼の現在の資産は電卓では計算できない桁になっていますね。
その後、保有しているビットコインのほとんどをビットコインキャッシュに変えたと発言しています。
これまでもロジャーバー氏は、「実用性が高いコインが一番よく使われるコインになる」と何度も発言しています。
ここまで読むと、ビットコインに詳しい投資家ならビットコインにはライトニングネットワークがあるのではないか?と反論したくなると思います。しかし、ロジャー氏はライトニングネットワークは実用化段階ではなく、商用化していない完全に「構想上のソフトウェア」と一刀両断しています。
現時点で、仮想通貨に関する先見の明があるロジャー氏がビットコインキャッシュを大量保有していることは、ビットコインキャッシュホルダーにとっては非常に心強い事実ですし、彼が色々な場所で発言し、影響力を発揮し続ければビットコインキャッシュの価値も上がりやすいと思います。
今後この論争がどうなるのか、とても気になるところです。
まとめ
ビットコインキャッシュは、ビットコインからハードフォークして誕生して改良版ビットコインです。
ビットコインキャッシュという名称で親しまれていますが、ロジャー氏はビットコインキャッシュこそ本物のビットコインであると主張しています。
まだ、この主張は一般的には受け入られていませんし、ビットコインがメインの通貨であることは変わりがありません。…が、今後、仮想通貨全体が実用化の波に飲まれていく中で、ビットコインキャッシュの優位性が認識されれば、立場が逆転する可能性もありますね。
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