財務省が3000万円「相当額」を超える仮想通貨取引の報告を義務化

仮想通貨は規制やルールが整備される前に市場が拡大、参加者が増えたため一方ではやりたい放題、そして一方ではゆるいことで業界の広がりを加速させてきました。そして徐々に規制の枠組みが作られつつあるといった流れの中にいます。

そして今回、財務省から海外の居住者との間で行われる仮想通貨取引に対する報告義務が課せられる方針が発表されました。

3000万円「相当」なので、仮想通貨同士の売買も報告対象となります。それでは、報告義務の内容や対象を確認してみましょう。

財務省が発表した「3000万円超報告義務」の内容とは

まずは、財務省が発表した報告義務の内容を確認してみましょう。

こちらが5月18日に発表した報道発表の全文です。

仮想通貨に関する外国為替および外国貿易法に基づく報告について周知します

外国為替及び外国貿易法(以下外為法)では、日本と外国との間又は居住者と非居住者との間で3000万円相当額を超える支払又は支払の受領をした場合には、財務大臣への報告が必要となります。

当該支払い又は支払いの受領には、日本円や米国ドル等の法定通貨を用いたものだけではなく、仮想通貨を用いて行なった場合も含みますので、仮想通貨に関する外為法に基づく報告について周知します。

簡単にいうと、海外に住んでいる人や外国の人と3000万円以上の仮想通貨のやり取りをした場合は、財務大臣に報告する必要があるということです。

国内の仮想通貨取引所で、売買している分には問題がありませんが、海外取引所を使っている場合は3000万円以上の取引で報告する義務が生じます。

分散型取引所を使っている場合も対象となりますので、注意が必要です。対象となる主な取引はこちらです。

  • 仮想通貨の売買
  • 仮想通貨の交換
  • 仮想通貨の移転
  • 仮想通貨取引による利益金、配当金、手数料などの支払いや受取り

財務省が発表した「3000万円相当」という言葉からわかるとおり、報告義務が生じるのは、日本円に利確した時ではなく、仮想通貨同士での売買も含まれます。

その場合のレートは、取引や移転が行われた日のレートが適用されます。

もし、そのコインやトークンに、法定通貨と交換する取引所がない場合は法定通貨と交換できる他のコインやトークン建で計算するとのこと。ビットコインの場合34ビットコインの取引で、報告義務が生じてしまうので、注意が必要です。

どういう場合に該当するの?罰則は?

さて、文章ばかりではわかりづらいので、実際に報告義務が発生する場合しない場合をまとめてみました。

報告義務が発生する場合

  1. 海外の取引所で一度に3000万円以上の取引をした場合
  2. 海外に住む友人に3000万円以上の仮想通貨を送金した場合
  3. 海外の不動産を3000万円以上の仮想通貨で購入した場合

このように、1度に3000万円以上の仮想通貨を売買、送金、決済した場合に報告義務が発生します。

報告義務が発生しない場合

  1. 海外の取引所で300万円の取引を1日で10回行なった場合
  2. 海外に住む友人に1000万円を1日で3回送金した場合

このように、3000万円の報告義務は、1日のトータルではなく1回ごとの金額になるので、報告が面倒だなという方は細切れで取引や送金をすると良いでしょう。

ちなみに、外為法の罰則は50万円以下の罰金です。

今回の報道発表よりも前に遡って適用されますので、該当する取引がある方は取引履歴や送金履歴を確認する必要があります。

まとめ

今回の3000万円超の報告義務は海外の法人や個人との仮想通貨取引が対象となりますので、国内取引所のみで取引されている場合は対象外となります。

海外の取引所だけでなくICOでのコイン購入なども対象になりますので、報告義務を発生させたくなければ1度の取引を3000万円以下に抑えるように工夫が必要となりますね。

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ABOUTこの記事をかいた人

税理士事務所で働く24歳OL。2016年8月に、わけも分からず仮想通貨を買って握りしめていたことが全てのはじまり。以前は「男にたかる港ガール」だったが、仮想通貨がキッカケで「自力で稼ぐこと」に目覚めて、今はICOや草コインを買いあさり、トレードまで自分で行うまでに。「クリプトカレンシー女子」として情報発信も広く行っている。